無事免許状の変更も終わり、いざFT8通信をしてみましたが送受信の切替が上手くいきません。
TS-690Sへの制御がRS-232Cの4800ボーと遅いため何か障害があるのか、もしくはパソコンがのOSがWindowsXPであるので、FT8通信をするために特別な設定があるのか調べ設定した結果をお伝えします。
1.TS-690Sとの通信について
”PTT Method”のCAT”制御と"Sprit Operation”のFake It"が不調でした。
通信に利用したソフトは『JTDX』です。TS-690Sとの通信設定は”File"→”Settings…”と進み『Radio』タブで設定しますが、そのなかに”PTT Method”と”Sprit Operation”の設定がありますが、
(1) CAT制御
この制御だと送信ON時は問題ないのですが、送信OFFではOFFが遅れ次の送信に間に合っておりませんでした。(ピロピロ音は時間通りにON/OFFしているのですが)パソコンの処理速度の問題なのか原因は解りませんが、パソコンへのノイズ等対策も施しましたが効果は上がらず、最終時に”CAT"→”VOX"に変更し無線機側でON/OFF制御する事で解決しました。
(2) Fake It制御
こちらも(1)項のCAT制御同様に受信時に周波数が戻らず、しかもCAT制御をVOX制御に変更した後もその症状は変わりませんでした。
こちらもパソコンの処理の問題なのかハッキリしたことは解りませんが、こちらも”Fake It"→”Reg”への無線機側制御に変更する事で解決しました。
2.解読処理
デジタル信号を解読する時間が間に合わず、送信が遅れてしまいました。
1項でTS-690Sへの制御の大半を無線機側にし送信ON/OFF制御は、ほぼ予定時間内に動くようになったのですが、冒頭の写真の様に受信数がほぼFullに状態になった時に、解読処理に時間がかかり送信が間に合わない症状が発生しました。
ここで非常に役に立ったのは、マチュア無線専門誌『CQ ham radio (ハムラジオ) 2019年 08月号 [雑誌]』の付録でついております『FT8運用マニュアル 実践編』です。
この付録には私が利用してますソフト『JTDX』の設定に関して詳しく書かれた記事があります。そもそもFT8で使用するソフトで有名な『WSJT-X』には日本語マニュアルがありますが、この『JTDX』にはない為、設定の意味が分からない所があり苦労しておりました。
この冊子を読んで解読処理を『速度優先』に変更し解決しました。
(1) FT8 threads(解読に使用するCPU)
この設定は、自動に判別させるため”Auto”にしました。
(2) FT8 decodimg(FT8解読器設定)
この設定は下記の通りにしました、詳しくは『CQ ham radio 2019年8月号の付録』を参照してください。
① Wideband decoding(帯域全体の解読) →fast
② narro Filter(フィルタ帯域内の解読) →deept
③ QSO RX freq sensitinity(受信周波数の感度) →low
④ decoder sensitivity(解読器の感度) →minmum
⑤ last start of decoder(送信終了後に解読開始)→無効
⑥ JT9 decoding(JT9の解読器) →fast
(3) デコード回数設定
”File"→”Settings…”と進み『Advanced settings』タブの設定ですが、ここではCPUの能力に合わせた設定をしました。(この部分は冊子にありませんでしたので別途しらべました)
① Number of decoding attempts(デコード試作回数)
値を大きくするほどデコード性能が向上します。目安としてCPUの周波数が2GHz以下の場合は”1”、2GHz台で”2”、3GHz台で”3”
② Number of decoding passes(デコードパス数)
値を大きくするほどデコード性能が向上します。 目安としてCPUの周波数が2GHz未満場合は”2”または”3"
③ RX frequency decoding attempts(受信周波数のデコード 試行)
目安として低速CPUの場合は”1”、高速のCPUの場合”2”、コア数が8以上のCPUの場合”3"
その他は下記写真のデフォルトのままです。
以上のTS-690SとWindowsXPでの特別な設定です。設定後は無事にFT8通信ができ、日本はもとより、韓国、台湾、アラスカ局と通信が成立しました。
設定でお困りの方にはお勧めの一冊です。
私の通信状態に関して詳しくは、『運用編』で紹介します。
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